幻のジャージャー麺を求めて

2005/04/03更新

荒川です。'99年5月9日、撮影会のため井の頭公園に行ってきました。



昼飯は吉祥寺駅近くまで行こうと歩いているとこんな店を発見。看板に写真付きのメニューがあるのう。 店名は「龍」(DRAGON)というのか。



ほう。ジャージャー麺があるんだね。でもどうせ日本のラーメンの麺で代用しているんだろうなぁ。どれどれ。 おう!こ・これはぁー、白ーく、平たい麺。これはまさに幻の炸醤麺用の麺を使ったじゃーじゃー麺ではないか!!!

炸醤麺(北京語の発音だとザージャンミェン)とは、れっきとした中華料理だが、父が昭和19年に、北京の 北支那製鉄に勤務していたころ 覚えてきた味を、自宅でも再現した、荒川家にとっては水餃子とともに50年以上前から8年前まで食べ続けられた 家庭の味である。

盛岡市では、中国から帰国後、大通りサンビル近くの屋台で餃子を売っていた、 現在の白龍(パイロン)の故・高階氏がメニューに加えるため中野製麺に作らせてくれたおかげで、麺が入手できる。

しかし、この麺は、東京、横浜ではお目にかかったことはなく幻の麺であったが、 去年、NHKの料理番組で神戸の南京町にうどん(画面でみたところ丸いうどんであった) を使ったじゃじゃ麺(関西人は「じゃじゃ」と呼ぶらしい) があるという報告があり、また、北京から離れた台湾の高雄で今でも食べられていることから、いつか東京で 出会える日が来ると思っていた。



ま・ま・ま・まさにじゃあじゃあ麺ではないか。 この盛り付けかた、きゅうり、そして黒い味噌(舌で確認出来た限りでは固形分は挽肉のみ)、味もそっくりだ。 この店では北京の南の出身のコックさんが麺を手打ちで作っている。 丁度、母の日に、死んだ母の思い出の料理に出会えるとは! 感涙にむせびつつ平らげたのであった。その上、この店には水餃子もあったのだぁ。スープ餃子じゃなくて たれを付けるやつだよ。値段は5個で250円と嬉しい安さ。


龍閉店後、東京では簡単に味わうことの出来なかった、切麺にしょっぱい醤の炸醤麺。現在、2004年開店の全聚徳新宿店で食べることができます。是非お試しください。


2000年3月25日の龍。


肉餅。


またいつかこのような炸醤麺に出会いたい。

geminizz@hamakko.or.jp

荒川文治(あらかわ ふみはる)
神奈川県横浜市

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