2001/04/30登録
2001年4月15日から21日まで中国に行ってきた。 4度目の訪中となるが、今回も広東省東莞市とシンセン市だけ。 行ける店も出張先の会社やホテルから近い場所に限られるため、 新たな発見は期待していなかったのだが、意外な収穫があった。
北大倉餃子館 |
4月15日、JL731便で香港に着いた。
香港国際機場から東莞までは直通バスに乗る。そういえば一人で行くのは
今回が始めてだ。翌日出張先の会社に行くまでは一人の時間というわけだ。
新都会酒店にチェックインを済ませるやいなや炸醤麺を求めて市内に出た。 ホテルのチラシに印刷された周辺の地図を頼りに歩き回るとすぐに それらしい店を見つけた。 「北大倉餃子館」。 「北」、「餃子館」、私の求めてる白い炸醤麺を出す店に共通したキーワードである。
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北大倉餃子館の炸醤麺 |
「炸醤麺」8人民元。 匂いがもろに味噌だ。色も味噌。食べてみたら塩辛いまさに味噌。 麺は日本のスーパーで売ってる「細うどん」そのものである。 それを茹でて軽く湯を切ってどんぶりに入れてある。 水で冷やしてはいない。 続いて「水餃子」が来た。メニューには10種類ぐらいの水餃子があったが 豬(豚肉)をチョイス。20個で8人民元のところを10個だけ注文したが、 20個ぐらい軽く食えたな。 |
北大倉餃子館の水餃子 |
16日、まだ中国2日目だというのに韓国料理店「高麗園」へ。
中国で冷麺を食べるのは3店目だが、スープ、麺の強さと色(太さは違う)、 上に梨、ゆで玉子、きゅうりが載っていて、盛岡の冷麺にそっくりである。 新宿の韓国料理店や東京の盛岡冷麺よりこっちのほうが盛岡の冷麺に近い程だ。 いつも北京語のできない荒川のために本来の業務を超えて付き合ってくれる黒龍江省 から来た朝鮮族中国人、金光さんに冷麺の話を聞かせてもらった。 |
高麗園の冷麺 |
「故郷には、各種穀物を持って行くと麺に加工してくれる店があります。
それは豆、小麦ですが、必ずジャガイモ澱粉が入ります。
押し出し機で押し出された麺はすぐ下の釜で茹でられ、直ぐに食べますが
、残った麺は外に干して保存し、後で水で戻して食べます。
」
18日、シンセン市に移動。ここで吉林省出身の朝鮮族中国人、李愛順さんと一年ぶりの再会。 20日まで付き合ってもらい、その間何度か食事をした。 西式レストランの完全に茹できって腰が無くなったスパゲティーを食べながら、彼女にも冷麺について聞いてみた。
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高麗園の刀削麺 |
「麺は店で買ってきます。とうもろこしと小麦粉が主でジャガイモ澱粉は使いません。
蕎麦は知りません。ジャガイモ澱粉の入った麺もありますが、それは太くて
(スパゲティーぐらいの太さ)冷麺とは別の料理に使います」 さらに餃子についても面白い話を聞いた。 「餃子は茹でることも焼くこともありますが、油が高価なのでいつも茹でて食べています」 確かに、水餃子は水があれば出来るもんな。 |
シンセンの韓国料理店にて |
19日朝、李さんが若い女性を連れてきた。金麗華さんという満20歳の人だ。
李さんの会社の業務拡張に伴い採用したんだという。「日本語の練習相手になって下さい」と
いうのでいろいろ話をさせてもらった。 彼女は黒龍江省鶏西市を16日の朝に出発し、自動車、船、バス、飛行機を乗り継いで 18日夜シンセンに着いたばかり。 履歴書と李さんとの電話面接で採用されたのだという。 採用が決まった後、シンセンに行くことに父親は反対したそうだが最後には旅費を出してくれた。 日本語は故郷の日本語学校で1年2ヶ月勉強しただけで、日本人を見るのは私が始めて 。そんな話を普通に日本語でした。 |
シンセンの韓国料理店の料理 |
「故郷を出る時は自信があったのに、今は不安で一杯です」 と言う金さん。 周囲で飛交う広東語の会話が少しも聞き取れないのだそうだ。 日本語も専門用語が全然わからないらしい。 「大丈夫。大学出た日本人だって最初は分からない単語だらけだったんだよ。 直ぐに慣れるから頑張って」 次に会った時、どれだけ成長しているか楽しみだ。 きっと私のほうは相変わらず日本語しか出来ないんだろう。 |
東莞の港式食堂の京都炸醤麺: 10人民元 |
20日、再び東莞へ移動。夜、釜山出身中国駐在韓国人鄭さんと港式食堂へ行き炸醤麺を注文。
今回はスープ麺ではなかったが細いビーフンのような麺。
「韓国のと違うよね?」と尋ねると、「韓国の炸醤麺はアレンジされたからです」
と言う。「韓国のってこんなのじゃない?」とデジカメで北大倉餃子館の炸醤麺の画像を見せると
韓国と同じだという。 冷麺についても聞いてみた。「麺はもともとジャガイモから作ります。それが韓国に来て 蕎麦粉や小麦粉も混ぜるようになりました。冷麺専門店では茹で汁を飲んだりもします」 炸醤麺と水餃子、そして冷麺。更なる調査の必要性を痛感した旅であった。 |
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